失礼な質問にも誠実に答えてくれた“人生の主治医”

家原さんはそんな私に優しく声をかけてくれました。

「中村さんは職場にも恵まれて安定した収入があるわけですから、もっと今の生活を楽しみましょうよ! 30代の今しかできないことが、たくさんあるはずですよ」

後日、自分の年収や金融資産、会社の健康保険や加入している生命保険などの状況をひと通りお知らせした上で、資産運用のアドバイスを受けることにしました。そこではまず、かけ過ぎだった生命保険を見直した上で、このまま一生シングルで過ごすという前提で、手当てすべきお金と、それを準備するための目標利回り(3%)が提示されました。

銀行預金(スーパー定期で0.002%)の実に1000倍以上で一瞬「絶対無理」と思いましたが、家原さんは、「確かにリスクはゼロではありませんし、一時的にはマイナスになることもあるかもしれません。でも、世界経済の成長をうまく取り込んでいけば、長期的には十分達成可能な数字ですよ」と過去のデータなどを活用しながら分かりやすく説明してくれました。

説得力のある言葉でしたが、心配性の私は徹底的に確認せずにはいられず、今思えば家原さんに対してずいぶん失礼な質問もぶつけました。「契約したら後はほったらかしなんてこと、ありませんよね?」「家原さんがずっと担当してくれるわけじゃないでしょう?」「家原さんの会社がつぶれたら、私が預けたお金は戻ってくるんですか?」などなど。

今考えると相当嫌みな顧客だったと思うのですが、家原さんは私の質問に動じることなく、ひとつひとつ誠実かつ丁寧に答えてくれました。その回答に、私は心から納得できました。そして、この会社、このアドバイザーなら信じられると思ったのです。

私は、アドバイザーとの関係は主治医と患者のようなものだと考えています。自分の人生を家原さんと共に確認していく中で、これまでの自分の生き方を見つめ直すことができました。その結果、「とにかくお金を貯めなきゃ」という強迫観念のようなものから解放されて穏やかな気持ちになると同時に、「今の自分にしかできないことをやろう」と新しい趣味や仕事にチャレンジする意欲が湧いてきたのです。

そうした中で、「これが運命の人?」と思えるくらい、価値観がよく似た同い年の男性と出会いました。彼から告白されてお付き合いを初めて半年たち、結婚の話も出ています。結婚式には、ぜひ家原さんにも出席してほしいと思っています。

●前編>> 家賃5万、服は買わない…ひたすら貯め込んで預金1800万円