地元の人々の金融リテラシー向上にも熱意
“装備”もさることながら、戦闘力とも言える提案スキルの教育にも力を注ぐ。FPMのIFAの大半は新卒入社で、嘉瀬氏を含めた9名のIFAのうち、中途入社の社員は3名にとどまる。
「地元に貢献するためには、多様なお客さまに対し、ベストな提案とアフターフォローをずっと続けていく必要がある。当然のようですが、歩合制でもないのに、要求レベルは相当なものです(笑)。社員には『入社して3年は営業しなくていい』と伝え、徹底的に『FPMの提案力』を身に付けさせています。われわれの理念に深く共感できる人材であれば経験者の採用も視野に入れていますが、FPMの提案力と理念の理解は不可分なのです」と熱弁する。
具体的には、OJTをベースに、証券会社ではおなじみの新聞の読み合わせや先述の吉井氏による月1回の研修などを実施。こう書くとあっさりしたものだが、読み合わせひとつとっても、ニュースの要約を発表し、対話への盛り込み方、商品提案へのつなげ方など、30分という短時間でかなりの量のアウトプットを求められるものだ。また、100本を超える「セレクトファンド」についても各ファンドの概要や特徴などを覚える必要があり、体得すべき知識の量は膨大だ。
IFAに高いスキルを求める理由は、顧客への金融教育の充実にもある。
コロナ禍により現在は休止しているが、集客チャネルの一角を占めるリアルセミナーは高い集客力を誇っていたという。IFAはこの新規顧客セミナーのほか、運用会社との共催セミナー、DCの継続教育でも講師として立つわけだ。また、IFAが講師に立つことはないが、澤上篤人氏や藤野英人氏といった資産運用業界のキーマンをゲストに迎えての既存顧客向けセミナーも数年に一度実施している。