中小企業やスモールビジネスでも良質な401(k)の提供ができるように改革が進んでいる

企業が質の良い401(k)を提供しようとするとき、参加する雇用者が何人いるか、また雇用者全員による投資総額がいくらかという点がポイントになります。大企業で多くの従業員をかかえ投資総額も大きい401(k)プランは、スケールメリットにより、極低手数料の良質ファンドが使えますが、中小企業だとそうはなかなかいかないのが問題でした。この点においても、アメリカ401(k)市場では改革が進んでいます。バンガード社は2020年末に、同社の企業向けターゲット・デート・ファンド(わずか0.09%の手数料)を利用するための最低投資総額を、$100ミリオンから$5ミリオンに劇的に低下させました。これで、中小企業も良質な401(k)の提供が可能となります。

また同時に、規模的にこのレベルに達しないスモールビジネスにとっても嬉しい改革が進んでいます。スモールビジネスの場合、大企業のように福利厚生担当部署などというものがないのが普通ですし、401(k)運営についての情報や知識も限られています。このあたりもサポートしながら、小規模401(k)ならではの管理費用も最小化しつつ、それでいて低手数料の良質インデックスファンドを提供するオンラインベースの401(k)運営会社が現れました。「guideline.com」が代表的ですが、同社ではターゲット・デート・ファンドは提供していないものの、リスクレベルを特定して自動運用するロボアドバイザー的な機能が用意されており、利用者が簡単に運用を開始できるようになっています。

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振り返ってみるにここに至るまでの道は、インデックスファンド投資への消費者の意識向上、手数料への高まる問題意識、企業の401(k)改善への熱意と努力、ファンド会社および401(k)運営会社のコスト削減と品質改善努力があいまって実現されたものだと感じています。

結果的にリタイヤメント資産準備はかなりシンプルになり、まずは401(k)で所得税を控除し利回り非課税で最大限まで運用する――それでも余剰金がある人はIRAを利用する、というのがデフォルトになりつつあります。