加入可能年齢の上限引き上げ:70歳になるまでiDeCoに加入できるように

個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)はどのように改正されるのか。最大のポイントは加入可能年齢の上限が70歳未満までに引き上げられることだ(現在は最長で65歳未満)。これにより長期的に老後資産形成に取り組みやすくなる環境が整うことになる。

これまでiDeCoに加入できる人は、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない国民年金の被保険者に限られていた。このため、働き方によって加入可能な年齢上限に差が生じていた。改正後の制度では、公的年金の保険料を納めつつ、上乗せとして私的年金に加入してきた人が60~70歳にかけても老後の資産形成を継続できるようになる。

<制度見直し後のiDeCo加入者の対象範囲:3つのポイント> 

1. 国民年金被保険者(現行の要件と同じ)

2. iDeCoの加入者・運用指図者

3. 企業型DC等の私的年金の資産をiDeCoに移換する者

 
出所:厚生労働省
 

詳細は上の表のとおりだが、1~3のいずれの場合も「老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない」ことが条件になる。

iDeCoの受給開始時期は60歳から75歳の間で選べ、受給を開始しなければ70歳未満まで掛金の拠出を続けることも可能となる。今回の改正で、働き方の違いに関わらずシンプルに、加入上限は70歳未満と統一され、より分かりやすくなることは朗報だ。なお、この改正は3年以内に実施される見込みだ。

また、iDeCoの掛金の拠出限度額の上限も、個人事業主(第1号被保険者)が月7万5000円、会社員など(第2号被保険者)は月6万2000円に引き上げられる予定だ。