FRBの政策が日本株に与える影響とは?

一般的に日本においては、ETF買いやマイナス金利政策などの金融緩和によって、株価は上昇すると言われている。理由はいくつがあるが、一つには金融緩和によって世の中に出回るお金の量が増加することで景気を刺激し、結果的に株式市場に流れるお金も増えるためだと考えられている。

このロジックを米国にも当てはめると、FRBの金融緩和によってアメリカ市場の株価は上昇する。株価の上昇によって運用資金に余裕が出た米国の機関投資家などは、分散投資先として日本株を買うことになる。その結果、日本株も上昇する。日本株売買の6割以上は外国人投資家で、中でも米国の外国人投資家が多いという背景もあり、アメリカの株価上昇は日本国内の株価と連動していると言える。

一方でFRBが利上げ(ゼロ金利政策とは反対に金利を上げる)を行うと、借入コストが上がることで設備投資の縮小など企業業績への悪影響を懸念する見方から、投資家は株を買うのに慎重になる。その結果、米国の株価は下がり、日本の株価も下落するというのが一般的なロジックだ。

FRBが金融政策として利下げを行う間は、日本の株式相場もそれに伴って上昇が続くかもしれない。すでにFRBはコロナの影響を考慮して2023年までは利上げを行わない方針を決定している。

しかし今後、雇用の最大化と物価の安定という目標の達成が軌道に乗ってきたと思えば、今度は利上げを実施し、その影響で日本株も下落する可能性がある。2023年以降、FRBがどんなシナリオを描くのか――そこでまた世界経済が動く可能性があることを知っておきたい。