想定外の「逆格差」に足をすくわれることに
とはいえ、「多摩川格差」には「逆格差」もあります。
多摩川を超えると家賃や物価も大きくアップします。何度か物件探しをしたことがありましたが、同じような広さ、築年数の物件を比べるとやはり“川向こう”の方が2割近く高いのです。私が正社員でバリバリ働いているならともかく、夫の給料と私のパート代では生活していくのがやっとで、都民になるのは夢のまた夢でした。
それだけに、都営住宅での義母との同居は我が家にとってはまさに“僥倖”。引っ越しの挨拶をした際はママ友たちからもさんざん羨ましがられたものです。
果穂は私と違い、小学校の通知表でも「よくできる」がずらりと並ぶ優等生です。これから中学校、高校へと進む中で、経済的な支援に加えて子育ての環境や教育機会も整備された都内の方が望ましいのは言うまでもありません。
家賃についても、義母の支援もあることから、神奈川県にいた頃より負担がぐんと減りました。その分、果穂には中学や高校は公立で我慢してもらうとしても、本人が希望する塾や習い事くらいはさせてあげられるだろうと楽観的に考えていました。
しかし、思いもかけない「逆格差」で足をすくわれることになったのです。
●晴れて多摩川の東側の住民となった樋口さん。しかし大きな誤算となったのは、アッパークラスの家庭に囲まれる中での「予想外の支出」の多さでした。後編【「多摩川を越えれば安泰」は幻想だった? 華やかな卒業式に高額な交際費…40歳主婦が都内公立小で突きつけられた「経済力の壁」】で詳説します。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
