「多摩川格差」という言葉をご存じでしょうか? 近年活発化する少子化対策で、税収の多い東京都と隣接する県との差が広がっていることを揶揄する言葉です。結婚して長女が生まれた後もしばらく神奈川県在住だった樋口なつみさん(仮名)も、ずっと「多摩川格差」に悔しい思いをしていたそうです。

しかし、2年前にご主人のお母様が住む都営住宅に同居することになり、運よく多摩川を超えることに成功しました。これで成績優秀なお嬢さんを恵まれた教育環境で育てることができると喜んだのも束の間、都内は教育への“給付”だけでなく“負担”も多いことを思い知らされたのだとか。樋口さんに、この2年間で体験した神奈川と東京の「逆格差」について話してもらいました。

〈樋口なつみさんプロフィール〉
東京都在住
40歳
女性
パート
義母、夫、小学生の娘と4人家族
金融資産750万円(世帯)

「多摩川格差」に悔しい思いをした神奈川時代

私たち夫婦は結婚した直後から10年以上、多摩川の西側の神奈川県内に住んでいました。子どもが生まれて住み替える際も同じエリアを選びました。賃貸物件が多くて家賃も手頃、加えて、子どもと遊びに行ける公園や遊戯施設も豊富で子育てには悪くない環境だったからです。

このままずっとここで暮らしてもいい。そんなふうに考え始めていた矢先に突然の引っ越し話が持ち上がりました。2年前のことでした。