突然舞い込んだ都営住宅での同居の話
都営住宅で夫の母親と暮らしていたバツイチの義兄が再婚して出て行くことになり、代わりに私たち家族3人が義母と同居することになったのです。
高齢の義母を一人にしておくのは心配ですし、都営住宅は夫が育った家でもあり、3DKと4人でも十分生活できる間取り・広さです。夫は都内の企業に勤務していて、引っ越しで通勤時間が30分以上短縮されるメリットもありました。
義母と同じ部屋で暮らすことについては夫からは「本当にいいの?」と何度も聞かれましたが、気さくな義母とは自分の親以上にウマが合ってしょっちゅう電話やLINEのやり取りをしていましたから、同居を躊躇う理由はありませんでした。
おばあちゃん子の娘の果穂も、おばあちゃんの家で一緒に暮らすと聞いて大喜びでした。
かくして果穂は5年生の1学期から区立小学校に転校し、私は都営住宅の近くで新しいパート先を見つけて働くようになりました。果穂が学校から帰ってきても家には義母がいてくれるので、安心して仕事ができます。
実は、神奈川県から都内に移るに当たっては別の目論見もありました。「多摩川格差」の解消です。
国や地方自治体による少子化対策の子育て支援が本格化する中でも、やはり東京都は別格です。潤沢な税収を元手に保育費や給食費、高校授業料の無償化を次々と打ち出したのに加え、18歳以下の子どもには「018サポート」という月額5000円の給付も行っています。その結果、多摩川を挟んだ世田谷区と川崎市では、年収600万~700万円の子どもが2人いる世帯だと600万円もの行政支援の差が生じると言われています。
我が家が引っ越しを決めたのは、ちょうど東京都が高校授業料の無償化を発表して「多摩川格差」が注目された頃でした。当時はママ友の間でも、「川1本超えるだけで授業料払わされるっておかしくない?」「神奈川県、もっと頑張ってほしいよね」などといった話題で持ちきりでした。
