11/17週のポイント
では来週の予定をみておきましょう。米国の雇用統計の発表が予定されていますが、政府機関再開からまだ間もない為、実際に発表されるか流動的です。この為、来週は日本の第3四半期のGDPに注目です。現在、マイナス成長が見込まれています(スライド17)。
それでは来週のポイントです。日本のGDPがマイナスとなった場合、利上げが先送りされるとの見方が強まりそうです。その上、補正予算拡大への期待から、円安・株高となる可能性が充分にあります。とは言え、155円を上回る水準での高値警戒感は相応に強く、ここをさらに大きく抜けていく為には例えばアメリカの雇用統計において、労働市場がそれほど悪化していないと言った、アメリカドルにとってのポジティブな材料が必要となりそうです。この為、来週のドル円は154円台を中心に底堅く推移しつつ、上値もやや重い展開が見込まれます(スライド18)。
著者情報
内田稔
うちだみのり
高千穂大学 教授/FDAlco 外国為替アナリスト
1993年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。マーケット業務を歴任し、2007年より外国為替のリサーチを担当。2011年4月からチーフアナリストとしてハウスビューの策定を統括。J-Money誌(旧ユーロマネー誌日本語版)の東京外国為替市場調査では、2013年より9年連続アナリスト個人ランキング部門第1位。2022年4月より高千穂大学に転じ、国際金融論や専門ゼミを担当。また、株式会社FDAlcoの為替アナリストとして為替市場の調査や分析といった実務を継続する傍らロイターコラム「外国為替フォーラム」、テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、News Picks等でも情報発信中。そのほか公益財団法人国際通貨研究所客員研究員、証券アナリストジャーナル編集委員会委員も兼任。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本金融学会会員、日本ファイナンス学会会員、経済学修士(京都産業大学)
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