今回は「米国、12月利下げはあるのか?」について解説します。また、円買い介入までの距離間のほか、各地区連銀のデータから米経済について概観します。
はじめに直近3カ月間のドル円相場です。自民党総裁選後、総じてドル高円安が進み、今週ついに9カ月ぶりの高値となる155円台を回復しました。但し、高値警戒感も強く定着するには至っていません(スライド2)。
次に、主要通貨の今週の対ドル変化率を見ると円が独歩安でした。ただ、アメリカドルも円とポンドに次いで弱かったことがわかります。従って、今週のドル円の155円台回復は専ら円安によるものだったことになります(スライド3)。
年初来の動きを指数化してみると、今週はスウェーデンクローナ円やカナダ円が年初来高値を更新し、スイスフラン円やユーロ円は史上最高値を更新しました。また、ドル円も年初の水準まであと2%程度まで浮上してきました(スライド4)。
著者情報
内田稔
うちだみのり
高千穂大学 教授/FDAlco 外国為替アナリスト
1993年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。マーケット業務を歴任し、2007年より外国為替のリサーチを担当。2011年4月からチーフアナリストとしてハウスビューの策定を統括。J-Money誌(旧ユーロマネー誌日本語版)の東京外国為替市場調査では、2013年より9年連続アナリスト個人ランキング部門第1位。2022年4月より高千穂大学に転じ、国際金融論や専門ゼミを担当。また、株式会社FDAlcoの為替アナリストとして為替市場の調査や分析といった実務を継続する傍らロイターコラム「外国為替フォーラム」、テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、News Picks等でも情報発信中。そのほか公益財団法人国際通貨研究所客員研究員、証券アナリストジャーナル編集委員会委員も兼任。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本金融学会会員、日本ファイナンス学会会員、経済学修士(京都産業大学)
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