9/22週の注目ポイント

では、来週の注目イベントを見て行きましょう。来週はいよいよ自民党総裁選が告示されます。また多くのFRB理事や地区連銀総裁の発言機会を控えていますが、その中でもパウエル議長の発言に注目です。そのほかでは26日に日米の物価統計を控えています。特にアメリカの年内の追加利下げ幅を占う上で物価統計に注目です(スライド 15)。

 

そこでFRBが参照している個人消費支出物価指数をみると、足元で持ち直す動きがみられています。もちろん関税の影響が出始めているだけで、経済の強さを表すものではないとの見方も成り立ちます。

ただ、物価が上がり始めるとインフレ期待が高まり、消費の前倒しを通じて自己実現的に実際のインフレにつながる可能性も否定できません。特に3%台と高い伸びがみられるサービス価格は、関税の影響を直接受けるものでもありません。FRBもインフレに対する警戒を解けずにいるとみられます(スライド 16)。

来週のドル円は米国の利下げ再開にもかかわらずドルがやや持ち直していることを踏まえると148円台で足堅めをするなど底堅く推移すると見られます。もっとも、労働市場悪化への警戒は引き続き燻っていますから、149円台を手前に上値も重くなりそうです。

 

最後にフランスについてです。先週の動画でフランスが格下げされる可能性がある上、その際には仏国債を保有している銀行にとって、適用すべきリスク掛け目が20%になる為、ユーロ安に波及する可能性に注意を要するとお伝えしました。

実際にその動画収録後、フィッチがA+への格下げを発表しましたが、これまでのところユーロ相場に影響は出ていません。確かに、まだ格下げを決定した格付け機関が1社にとどまっていること、加えてフランス国債を売却した場合でもその資金でドイツ国債に投資をすれば、為替相場への影響は生じません。ただし、2社目が格下げに踏み切った場合、相場が動揺する可能性もあり、ユーロについては引き続きフランスの格付けに要注意です(スライド 17)。

 

 

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