海外金融政策の動向とドル円

さて、今週はカナダ中銀も0.25ポイントの利下げを決定しましたが、カナダドル円も週初に比べ、カナダドル高円安となりました。ドル円を含め、海外での利下げにも関わらず、円安に振れたのです(スライド 6)。

 

こうした動きは今回のドル円、カナダドル円に限りません。今年は日銀が1月に0.25ポイントの利上げに踏み切った一方、多くの海外中銀が利下げを実施しました。その結果、政策金利差は縮小しましたが、多くの通貨ペアで円安が進行しています。ドル円およびクロス円について、年初を100として指数化したチャートをみると多くの通貨ペアが年初よりも円安です(スライド 7)。

 

そこで、年初来の日本と海外との政策金利差の変化(日本-海外)を横軸、当該通貨の対円変化率を立て軸にプロットした散布図を作成しました。本来、政策金利差の縮小は対円での下落をもたらすはずですから、左下のマスにデータが集中し、散らばり方も右上方向に並ぶはずです。ところが、実際には左上に集中しています。

以上のことから、日本円には海外が利下げ、日銀が利上げといった金融政策の方向の違いだけでは埋めることのできない弱さが残っていると考えられます(スライド 8)。