今回のテーマは『「海外の利下げでも円安」のなぜ?』です。米国やカナダが利下げに踏み切ったものの、ドル円、カナダドル円ともに円安となった背景を解説します。

 

今週のドル円相場を振り返ります。FOMCまでドル安が先行し、利下げの決定直後に145円台半ばまで下落する場面もありました。ただ、市場が織り込む利下げ幅が示されなかった為、持ち直しに転じ、ドル円は148円台を回復しました。

一方、予想通り政策金利の据え置きを決めた日銀金融政策決定会合では、二名の審議委員が反対したことや来年初よりETFとJ-REITの売却開始を決定したことを受け、10月の利上げ観測が浮上し、株安と円高が進みました。

但し、記者会見で植田総裁が依然として利上げに慎重な姿勢を示した上、ETFの売却も完了するまで100年以上を要する緩やかなペースであることから、次第に株安・円高の動きが反転しました。現在、ドル円は148円近辺まで反発しています(スライド 2)。