オール・カントリーインデックスファンドにも米国一極集中の懸念がある!?
しかし、それとて、近年の米国株一極集中投資に対する懸念が高まってきたなかで、「米国株の比率が高くて危険」といった意見も聞こえてくるようになりました。
実際、MSCI-ACWIの国別構成比を見ると、
米国・・・・・・66.7%
日本・・・・・・4.7%
英国・・・・・・3.1%
カナダ・・・・・・2.8%
中国・・・・・・2.6%
その他・・・・・・19.9%
となっています。かつ構成銘柄の上位には、アップル、エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン、メタ、テスラ、アルファベット……というように、いわゆるマグニフィセント7がずらりと顔を揃え、この7銘柄だけで20.2%の構成比率を持ちます。確かに、23の先進国市場、24の新興国市場に分散できるMSCI-ACWIですが、こうした構成比を見ると、「米国一極集中に近い」と言われるのは仕方のないところです。
では、どうしてグローバル分散投資のインデックスでありながら、このように米国株一局集中型のポートフォリオになってしまうのでしょうか。
それは、時価総額ベースで構成比を決めているからです。国・地域別で比較しても、時価総額で米国株式市場が圧倒的に大きいのは言うまでもありません。いささか古い数字で恐縮ですが、2023年8月時点で見ると、時価総額ベースで米国株式市場のシェアを計算すると61.6%にもなります。以下、日本の6.4%、英国の3.9%、中国の3.2%と続いています。これとほぼ近い構成比にした株価インデックスが、MSCI-ACWIなのです。