買った株が急落してしまった……
個別株へ投資していたら誰しも陥るトラブルに、どのように対処したらいいのでしょうか?
投資顧問として活躍する栫井駿介さんに、物語をベースに解説してもらいます。第3回は、前回までの物語を踏まえ、著者が損切りの難しさを語ります。(全3回の3回)
※本稿は、栫井駿介著『買った株が急落してます!売った方がいいですか?』(ダイヤモンド社)の一部を抜粋・再編集したものです。
前回までのあらすじ
「トリリオンバイオ」という会社の株で大損し絶望する商社マン・波野は、公園近くで見つけた「ひばり投資診療所」にふらりと入る。現れたのは毒舌女医と謎の男性スタッフ。診察で投資の甘さを突かれ、波野は自身が失敗したと気づく。戻ったら売るのではなく、PBRなどを冷静に分析し、損切りする重要性が説かれた。
●前回:「もう少し戻ったら売る」はNG! 投資のプロが説く損切りの重要性
なぜ損切りがこれほど難しいのか?
読者の皆様、こんにちは。この本の著者の栫井駿介と申します。
私が代表を務める「つばめ投資顧問」は、個人投資家を育成しています。長期投資を楽しみながら実践することを目指して活動しています。この本は、お客様である個人投資家の皆様からよく寄せられる質問をもとに構成しました。
投資関連の本では「成功者」のエピソードや、「専門家」の難しい話が語られることが多くありますが、実際にはこの本の主人公である波野のように「何となく投資に取り組んでみた」という方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
個人投資家の何気ない悩みに対する答えは、探してもなかなか見つからないものです。そんな「等身大の悩み」にお答えしたいと考えたのがこの本の出発点になっています。
投資って難しいけど、少し踏み込んでやってみると実は結構面白い──そんなことを感じながら読んでもらえると著者冥利に尽きます。最後まで読んでもらえると嬉しいです。