福岡銀行の売れ筋(店頭販売件数ランキング)の2025年4月のトップは「ストックインデックスファンド225」で前月第3位からアップした。第2位は前月トップの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」、前月第2位だった「米国NASDAQオープンBコース」は第3位にそれぞれ後退した。第4位から第8位までは前月と同じで、第9位に「三菱UFJ純金ファンド」、第10位に「三菱UFJ トピックスインデックスオープン」がトップ10圏外からランクインした。
◆突き抜ける「純金」、国内株では「配当フォーカス」
福岡銀行の売れ筋トップ10では、国内株のアクティブファンドが3銘柄ランクインしていることが特徴の一つだ。ランキングトップに「日経225」のインデックスファンドが立ち、4月には「TOPIX(東証株価指数)」に連動する国内株インデックスファンドがランクインしたためにトップ10の半数を国内株ファンドが占めている。その他は、4銘柄が外国株ファンドで、今回、「純金」を投資対象にした「三菱UFJ純金ファンド」がランクインしている。他の金融機関では、「バランス型」や「債券型」がラインアップに加わってくることも少なくないが、投資リスクとしっかり向き合う「株式」が中心の売れ筋だ。
国内株ファンドの中でも2025年のパフォーマンスには傾向がみえてきた。アクティブファンドの中で最も優れたパフォーマンスを残しているのは「三井住友・配当フォーカスオープン」。年初から継続的に他の売れ筋ファンドをアウトパフォームし、4月に多くのファンドの基準価額が2024年末比でマイナス20%程度に下落した後、同ファンドは5月8日から2024年末比でプラス圏に浮上している。また、「One国内株オープン」は「TOPIX」に追随するような動き、「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」は「日経225」に追随する動きをみせている。そして、2025年5月までの推移では「日経225」に対して「TOPIX」が上回る成績になっている。
「三井住友・配当フォーカスオープン」は、企業の配当性向や予想配当利回りに着目して組入候補銘柄群を抽出している。ポートフォリオの約70%については、企業の配当政策と予想配当利回りの総合評価が相対的に高い銘柄に投資。約30%については、運用会社が独自の手法で算出した投資魅力度の高い銘柄に投資することで、「中長期の値上がり益」と「配当収入」の両方を狙った運用をしている。4月末時点のポートフォリオでは、同ファンドの予想配当利回りは4.0%で、「TOPIX」の2.6%を大きく上回っている。4月の下落市場の中では、高い配当利回りが株価下落に対する一定程度の抑止力として働いたと考えられ、4月7日の安値時点で、年初来の下落率が「ストックインデックスファンド225」で21.36%、「三菱UFJ トピックスインデックス」で16.78%になったところ、「三井住友・配当フォーカスオープン」は12.07%の下落率にとどまった。この下落率の低さが、その後の挽回局面でいち早く効き、基準価額が前年末水準を上回る力となった。
一方、株式ファンドが米国の関税政策に右往左往している間に、「純金」を投資対象とした「三菱UFJ純金ファンド」は基準価額が着実に右肩上がりの展開となった。3月末に年初来で13.68%高、4月末に13.63%高と横ばいだったが、5月には15%高の水準に上昇している。この純金の独歩高といえる動きが、株式に投資している投資家の分散投資先として注目を集めている。