◆2020年以降の推移で「S&P500」を超えた「ゴールド」
近年「ゴールド(金)」に対する投資対象としての評価が高まっている背景には、「米ドル」や「ユーロ」、「日本円」などの通貨が量的緩和などの金融政策によって緩やかに価値をき損し続けていることに対する警戒感があるなどといわれる。いわゆる「ペーパーマネー」は輪転機を回して印刷するだけで、どんどん発行し続けられるのであるから価値の目減りは無限大といえる。それに対して埋蔵量に限りがある「ゴールド」は絶対的な価値がある存在として価値が上がり続けると期待されている。「リーマン・ショック」(2008年)や「コロナ・ショック」(2020年)などの大きな経済危機のたびに大規模な金融緩和が繰り返されたことなどが、通貨に対する信認を弱めることにつながっているのだろう。
もちろん、そのような歴史認識がなくとも、単純に近年のゴールド価格の上昇は、投資対象としての魅力を強く感じさせるものだ。「三菱UFJ 純金ファンド(愛称:ファインゴールド)」は金のETFに投資することで、実質的に金の現物に投資しているのと同じようなパフォーマンスを得ることができる。2019年12月末を起点として2025年5月までの基準価額の推移をみていくと、2020年以降の投信市場をリードしてきた「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を追い越すパフォーマンスになった。「S&P500」は「コロナ・ショック」後の「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」による働き方改革や、2023年以降の「AI(人工知能)」ブームという2つの大きな変革によってかつてない上昇相場を実現したが、「三菱UFJ 純金ファンド(愛称:ファインゴールド)」は、その上を行くパフォーマンスになっている。その価値に、多くの投資家が気づき始めているようだ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩