三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)の投信売れ筋(販売金額)ランキングの2025年4月のトップ2は2月時点と同様に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」だった。第3位に2月時点で第4位の「楽天日本株4.3倍ブル」がランクアップし、「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」が第4位に後退した。「積立設定金額」ランキングでは、トップは2月時点で第2位だった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」になり、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は第2位に後退。トップ5圏外から「三菱UFJ純金ファンド」が第4位に食い込んだ。
◆日本株は月間でプラスだが「4.3倍ブル」は?
米トランプ大統領による「相互関税」の発表が4月2日に行われたことで4月上旬の株式市場は米国を中心に大幅安となった。ところが、4月9日に発効したばかりの「相互関税」について10日に「90日間停止する」と発表。これをきっかけに株価は急速に買い戻されて上昇することになった。結果的に、4月末の水準は、米国「S&P500」に連動するインデックスファンドで3月末比マイナス5%程度、「全世界株式(オール・カントリー)」に連動するインデックスファンドは同マイナス4%程度になった。
これに対して国内株式インデックスファンドは、4月上旬の急落場面での下落率が米国株式に比べて軽微(「S&P500」インデックスファンドがマイナス13%程度に対し、「日経平均」インデックスファンドはマイナス11%程度)だったこともあり、4月末には「日経平均」に連動するインデックスファンドは3月末を超える水準に上昇した。この国内株式市場の動きに対して日々4.3倍の大きさで動くことをめざす「楽天日本株4.3倍ブル」は3月末を基準に考えると、4月末時点ではマイナス12.4%という成績になった。4月の最安値では3月末比でマイナス50%程度にまで下落したことからは大きく回復したものの、「日経平均」が月間でプラスだったからと言って「楽天日本株4.3倍ブル」の成績が月間プラス幅の4.3倍というわけにはいかなかった。
レバレッジ(テコの原理)を効かして現物市場の数倍の値動きを実現する「ブル・ベア型」のファンドは、タイミングをはかって投資する商品といわれる。実際に4月の基準価額の推移を振り返ると、4月7日に急落したタイミングをピンポイントで購入できた投資家は4月末までに70%を超える評価益を得ることができた。ただ、翌営業日で購入すると評価益は約34%に激減する。大底の1営業日前の4月4日に購入していたら4月末で12%程度の評価益だが、その1営業日前の4月3日に購入していれば4月末時点ではマイナス3%程度の評価損になっている。投資タイミングが1日の違いで投資収益が目まぐるしく変わってしまう。かなり難しい投資対象であることがわかる。