鉄鋼国内3位、創業120年 機械メーカーと電力会社の顔も

神戸製鋼所は大手の鉄鋼メーカーです。かつて存在した総合商社、鈴木商店によって1905年に創業されました。1928年に創部されたラグビー部(現・コベルコ神戸スティーラーズ)は、現在も強豪として有名です。グループブランドの「KOBELCO (コベルコ)」は、KOBE(神戸)+STEEL(鋼)+COMPANY(会社)に由来します。

鉄鋼業界での立ち位置を確認しましょう。神戸製鋼所は年600万トンほどの粗鋼を生産します。これは日本製鉄とJFEスチールに次いで国内3位の水準です。上位2社と異なり、鋼材の輸出比率は2割ほどで、出荷先の多くは国内が占めています。

【主な鉄鋼メーカーの粗鋼生産量(2024年3月期、単体)】
・日本製鉄:3499万トン
・JFEスチール:2345万トン
・神戸製鋼所:597万トン

【主な鉄鋼メーカーの輸出比率(2024年3月期)】
・日本製鉄:44%(売上高ベース)
・JFEスチール:42.9%(単体、金額ベース)
・神戸製鋼所:21.7%

出所:各社の決算資料

鉄以外の比重が大きいことも神戸製鋼所の特徴です。アルミニウムやチタンといった非鉄金属も強く、特にチタンは総合一貫メーカーとしては国内唯一の存在となっています。鉄鋼は一般に自動車や船舶などが主な出荷先ですが、神戸製鋼所は磁気ディスクや半導体といったエレクトロニクス向けの出荷も一定のシェアを持ちます。

素材ビジネス以外も規模は大きめです。機械ビジネスは産業向け機器やエンジニアリング、建設機械を手掛けます。また電力ビジネスは兵庫県と栃木県に火力発電所を持っており、それぞれ関西電力の10%と東京電力の2%の供給電力を担います(2025年3月時点)。これらは利益貢献も大きく、2024年3月期は経常利益の大半を機械ビジネスと電力が占めました。

【神戸製鋼所のセグメント情報(2024年3月期)】

※電力の経常利益は一過性損益420億円を含む

出所:神戸製鋼所 有価証券報告書