将来・老後の生活資金が最大の動機

調査結果によると、つみたて投資枠利用者(6008人)の58.2%が「将来・老後の生活資金」を動機として挙げている。これは男女ともに最も高い割合を示しており、特に女性では62.7%と、男性の55.1%を上回っている。

年代別に見ると、この傾向はさらに顕著になる。男性の40代で58.6%、50代では65.6%、60代では67.3%が「将来・老後の生活資金」を動機としており、年齢が上がるにつれてこの目的の重要性が増していく傾向にある。女性も同様の傾向にあり40代では70.9%、50代では73.0%と高い割合を示している。

一方で、男性は70代で49.3%、女性は60代で66.0%、70代では52.1%と実際に老後生活に入る年代では下がる傾向も見られる。老後生活以前と以降とでギャップがあることも注目点の一つだ。

また、「資産形成自体が目的」という回答も全体で41.9%と高い。特に男性では46.8%と、女性の35.0%を大きく上回っている。年代別では、男性の30代が52.3%と最も高く、若い世代ほど資産形成そのものに関心が高い傾向が見られる。

なお、年代別で特徴的な傾向が見られたのは30代から40代。男女とも、「子どもや孫の教育資金」を動機とする割合が他の年代と比べて高い。男性30代で17.7%、40代で15.1%、女性の30代で20.7%、40代で16.4%となっており、子育て世代の新NISAに対する教育資金としての関心の高さが表れている。

新NISAのつみたて投資枠利用者の動機は年齢や性別によって傾向が異なる。しかし、全体としては将来への備えや資産形成が主な目的となっており、長期的な視点での投資が重視されているようだ。

●新NISAには投資信託の積立投資を主とする「つみたて投資枠」のほかに個別株式の投資なども可能な「成長投資枠」もあるが、その利用動機とは…。後編「7610人が答えた、私たちが新NISA「成長投資枠」を始めた理由ランキング」にて詳報する。

調査概要:「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」 調査主体:日本証券業協会 調査対象:2024年に新NISAで金融商品を購入した7610人 調査時期:2025年1月 調査方法:インターネット調査