住民主体の管理へ
そして、能代さんと共に歩むことを決めた私たちは、先日の総会で、これまでの管理会社との契約を延長せず、能代さんが推薦してくれた新しい管理会社と「一部委託」の契約をする議決をしたのです。
一部委託とは、従来の「全部委託」と管理組合による「自主管理」の中間で、管理員業務や清掃業務など一部の業務を管理会社に委託する方式です。能代さんがコスト面の見直しを進めてくれたこともあり、管理費用は大幅に削減されました。
総会で議決を終え次期理事長へのバトンリレーをした時は、サラリーマン時代に大きなプロジェクトをやり遂げた時くらいの達成感がありました。あと1年は理事として残るので、若い新理事長を陰ながら支えていこうと思った次第です。
「ずっとあの管理会社に任せていたら、気が付かないうちにマンションの価値が大きく毀損(きそん)されていたかもしれません。橋本さんのおかげです!」と親子のように年の離れたほかの住民から感謝されると照れ臭い限りですが、そもそも私が何をしたというより、管理会社任せの状態から脱却できたのは能代さんがいてくれたからこそです。
能代さんや、能代さんを紹介してくれたNPOには、いくら感謝してもしきれません。
その能代さんからは、将来の大規模修繕に向けて修繕積立金を安全性の高い債券で運用していったらどうかという提案もありました。今後は、普通預金口座に放置されたままの修繕積立金を、先の神奈川県のタワーマンションの管理組合のように「運用して増やす」ことも考えていきたいと思っています。
私たちと能代さんの改革はまだまだ続きます。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。