◆「米国高配当株」(SCHD)ファンドの行方は?

12月20日に新規設定された「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」は前月の資金流入額727億円から約315億円に半減し、同様の運用コンセプトの「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」は前月の222億円から244億円と横ばいにとどまっている。これらのファンドは米国の配当利回りが高い100銘柄で構成される指数である「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス」への連動を目指すETF「SCHD」に投資することで、米国株式の値上がり益と配当の両面のメリットを享受することをめざす。ともに2024年の設定だが、それぞれ純資産残高が1000億円を超える人気銘柄になっているものの、1月の資金流入額ランキングは下落した。

高配当株式は、成熟して安定的な業績をあげている企業群が多く、「マグニフィセント・セブン」に代表される成長株と比較すると株価の上昇期待は大きくはない。9月18日に設定された「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」の基準価額は約5カ月たった2月12日時点で1万761円であり、ピークだった24年11月26日の1万1352円から下落した水準にある。「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」は25年2月6日から基準価額が1万円の大台を割れ、2月12日時点では9989円になった。パフォーマンスが低迷していることがファンドの人気にマイナスに作用している。

執筆/ライター・記者 徳永 浩