三菱アセット・ブレインズがまとめた2025年1月の公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の資金流入額ランキングでトップ2は前月と同様に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」だったが、3位以下が大きく動いた。第3位だった「アライアンスB・米国成長株投信 D」が第4位に後退し、第4位だった「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」は第6位に落ちた。代わって第3位に浮上したのは「iFreeNEXT FANG+インデックス」、第5位には「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」が上がった。アクティブファンドが順位を落としてインデックスファンドが浮上する構図になった。
◆史上最大の資金流入が向かった先
月間の資金流入額が2兆円を超える史上最大を記録した2025年1月の流入額上位銘柄は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を筆頭としたインデックスファンドに人気が集中する結果になった。
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の資金流入額は前月の2005億円が今月は4050億円に倍増、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」も1820億円が3758億円に倍増した。この他、流入額上位にランクアップしたインデックスファンドをみると、「iFreeNEXT FANG+インデックス」は前月の422億円が1097億円へと2.6倍増、「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」は339億円が599億円と77%増、「SBI・V・S&P500インデックスF」は148億円が393億円へと流入額が2.6倍増になった。
このインデックスファンドへの流入増に対し、代表的なアクティブファンドの「アライアンスB・米国成長株投信 D」への流入額は前月の1239億円が1054億円と約15%減、「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」は806億円が546億円と約32%減になった。この2銘柄は人気はあるが、毎月決算型であるため新NISAの対象外になっている。決算頻度が異なるためNISA対象の「アライアンスB・米国成長株投信 B」は前月の379億円から406億円と流入額が増加している。この1月の資金流入は、NISA枠が更新されて「成長投資枠」で年間240万円が新たに投資できるようになったため、新NISA枠を有効活用したいというニーズが表れたためと考えられ、NISA対象外のファンドには大きな資金が向かわなかった。
一方、アクティブファンドの中では、「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」の資金流入額が前月の222億円から343億円、「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド D」が前月のトップ30圏外(流入額90億円以下)から342億円の資金流入を記録、といったように着実に伸びているものもある。このようなファンドの中から、今後活躍するアクティブファンドが出てくることが期待される。