ランキングには、「そうだろうな……」と思える超有名企業が多数
ざっと見たところ、「そうだろうな……」と思える企業名が並んでいます。ひとことで申し上げると、多くが超有名企業です。上位3銘柄は1位日本電信電話(NTT)、2位三菱UFJフィナンシャル・グループ、そして3位トヨタ自動車で、いずれも日本を代表する大手企業。日本で普通に生活をしていて、その社名を知らない人は、まずいないでしょう。それ以外の、トップ10に入っている企業も、大半がそうです(4位以下については後ほど紹介します)。
なぜ、知っている企業が上位に来るのかというと、いろいろ理由はあると思いますが、まず株式投資の教科書などに、「株式を買う時は自分がよく知っている、身近な企業の中から選びましょう」と書かれているから、ではないでしょうか。たしかにNTTを知らない人はほとんどいないでしょうし、情報通信系企業ですから、多くの人が日常生活でお世話になっています。極めて身近な企業といっても良いでしょう。
では、NTTを昨年買った人の現状はどうでしょうか。株価の推移を見ると、終値ベースの高値は昨年1月22日につけた191.2円。そして2025年1月30日時点の終値が153.1円なので、株価は約20%のマイナスです。
もちろん、昨年の終値で安値をつけた8月5日の145円で拾っていれば、若干のキャピタルゲインは得られているものの、これだけの大型株ですから、ちょっとやそっとの買いでは、株価が大きく動くことはありません。その代わり安定して推移していますから、配当利回り狙いの資産株といった位置づけで考えるのが良いでしょう。配当利回りは3.4%程度なので、配当をひたすら安定的に受け取っていくのに適した銘柄とは言えます。
一方で、しっかりキャピタルゲインを得られているのが、2位の三菱UFJフィナンシャル・グループです。昨年1月12日の終値が1267.5円。今年1月30日の終値が1964円ですから、約55%の上昇です。純利益は過去最高を更新しているのだから、株価に反映されるのも当然です。理由は、金利上昇によって預貸の金利ざやが拡大し、それが業績を押し上げているからです。
トヨタ自動車の株価は、よく「行って来い」などと言われますが、昨年1月12日の終値が2837円で、同年3月22日の終値は3872円でしたが、そこから下落が続いて、8月5日には瞬間、2183円という安値をつけました。わずか4カ月の期間で、株価は40%超も下落したことになります。これは初めて株式に投資した人からすれば、かなりの恐怖だったのではないでしょうか。なかには持ち続けることが出来ず、売却してしまった人もいると思います。ただ、その後は底値を固める動きになり、株価は大きく戻してはいないものの、1月30日時点で2949円まで回復しています。