鉄鋼ETFで組み入れ多い 「高配当」「割安」テーマの投信も
日本製鉄そのものではなく、日本製鉄が持つテーマにまとめて投資したいなら、その他の投資信託が選択肢です。
例えば金属の工業的な需要の増加を期待するなら「NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)上場投信」が候補です。「鉄鋼」と「非鉄金属」の業種に区分される銘柄へ投資する投資信託で、鉄鋼のほかアルミニウムや銅などのメーカーが組み入れられています。
また日本製鉄は配当利回り5.3%(2025年3月期予想、2025年1月14日終値時点)の高配当銘柄でもあります。同じく配当利回りが高い銘柄へまとめて投資したいなら「日経平均高配当利回り株ファンド」や「Tracers日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」などが考えられます。
さらに、日本製鉄はPBR 0.58倍(2024年3月期実績、2025年1月14日終値時点)の割安株という側面もあります。「野村日本割安低位株オープン」なら、同じく割安と推定される銘柄へまとめて投資できます。
【日本製鉄へ投資する投資信託の例】
※2024年12月末時点
買収が成立なら財務悪化のリスク 投資は慎重に判断
日本製鉄へ直接的に投資したいなら株式を購入しましょう。株式の購入には証券会社の口座が必要です。
投資信託で投資する場合、日本製鉄以外の銘柄にも資金が向かいます。分散投資からリスクの低減が期待できる一方、投資割合が薄まることには注意したいところです。
なお、仮にUSスチールの買収が成立しても、日本製鉄の株価が上がる保証はありません。成立した場合、買収費用は借入金でまかなう予定であること、競争法上の対応に伴う米子会社の売却で損失の計上を予定していることから、当面は財務の悪化が先行する見通しです。買収のシナジーが確認できなければ、かえって株式市場の評価を失う可能性もあります。
株式と投資信託のいずれの方法でも、投資の際は慎重に判断するようおすすめします。