日産自動車の株式は激しい値動きが続いています。ホンダ(本田技研工業)と統合を手掛かりに株価は330円台から一時550円台まで急騰しました。しかし、統合は2025年2月に破談となり、株価は事前の報道で380円台まで下落します。
しかし、報道では日産自動車がホンダとの統合を再検討しているとも伝わります。また、日産自動車は2025年3月、社長の交代を含む経営体制の刷新を公表しました。統合の行方は不透明ですが、経営再建に向けた動きが高まっています。
このような経緯から、日産自動車への投資を検討している人もいるでしょう。今回は日産自動車に投資する方法を紹介します。
販売不振で営業益90%減 リストラで再建図る
まずは日産自動車の状況を振り返りましょう。
直近2024年3月期はおおむね順調でした。後半に失速したものの、業績は当初計画を上振れて着地します。今期(2025年3月期)も、期首時点では増収および営業増益を見込んでいました。
しかし、状況は一変します。利益は前期を大幅に下回って推移し、第3四半期では前年同期比で90%の営業減益です。通期の見通しも相次いで下方修正され、期首で3800億円を計画していた純利益は一転して800億円の赤字予想となりました。中間配当金は無配に転落(前期は1株あたり5円)、当初25円としていた通期配当金も未定へと見直されます。
【日産自動車の業績(2024年3月期)】
・売上高:12兆6857億円(+19.7%)
・営業利益:5687億円(+50.8%)
・純利益:4266億円(+92.3%)
【日産自動車の業績予想(2025年3月期)】
・売上高:12兆5000億円(-1.5%)
・営業利益:1200億円(-78.9%)
・純利益:-800億円(赤字転換)
※()は前期比
※同第3四半期時点の同社の予想
出所:日産自動車 決算短信
苦戦の主因は販売の不振です。中国を中心に販売が振るわず、増加するコストをカバーできませんでした。見通しも厳しく、2026年度までの年間販売台数の目標は当初の450万台から350万台へ引き下げています。
日産自動車は、戦略的なパートナーシップを模索しつつ、人材や生産拠点などのリストラで業績の回復を図ります。