伊藤忠商事の株価が安値から反発しています。2025年2月に6020円まで下落していた株式は、足元は7393円(2025年3月19日終値)まで上昇しました。著名投資家のウォーレン・バフェット氏による買い増しが観測され、材料となったようです。
伊藤忠商事は話題となることが増えています。ビッグモーターから承継したウィーカーズの設立や、実現はしませんでしたがセブン&アイ・ホールディングスへの出資報道もありました。注目を集めているだけに、気になっている人は多そうです。
今回は伊藤忠商事を取り上げ、同社へ投資する方法を紹介します。
非資源に強みの総合商社 2023年度は大手で唯一の最終増益
まずは概要を押さえましょう。
伊藤忠商事は総合商社の大手です。1858年に創業し、戦後に丸紅と同時に発足しました。
グループには有力企業も多く、子会社にはファミリーマートやほけんの窓口グループなどを持ちます。2024年にはアパレル大手のデサントの株式を追加取得し、今期(2025年3月期)の第3四半期から連結化しました。
特徴は非資源ビジネスの比重です。伊藤忠商事は純利益の75%を非資源分野から得ています(2024年3月期。その他セグメントを除く)。
総合商社は金属やエネルギーといった資源事業の比重が大きい傾向にあります。伊藤忠商事も手掛けますが、全体に占める割合は小さめです。また、一般炭の権益からは撤退する方針を示しています。
総合商社は近年、主に金属資源の市況悪化から利益を減らす傾向にありました。しかし、伊藤忠商事は2024年3月期、五大商社(※)で唯一の最終増益となりました。その要因の一つは、資源に依存しない事業構成にあるとみられます。
※五大商社:伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅
【伊藤忠商事の業績(2024年3月期)】
・収益:14兆299億円(+0.6%)
・税引き前利益:1兆957億円(-1.0%)
・純利益:8017億円(+0.2%)
※()は前期比
出所:伊藤忠商事 決算短信
最終増益は今期も計画します。第3四半期時点で、純利益は前期比9.8%増の8,800億円を見込みます。本決算は2025年5月2日に公表される予定です。
証券会社で投資できる 少額投資なら単元未満株サービスがおすすめ
伊藤忠商事の株式は証券会社で購入できます。口座を開設後、必要額を入金しましょう。
なお、伊藤忠商事の株価は7393円(2025年3月19日終値)と、やや値がさ感があります。株式は原則として100株単位の売買のため、少なくとも73万9300円が必要です。
少額で投資したい人は、単元未満株のサービスを提供する証券会社を選びましょう。100株単位の取引は、取引所を通じて売買するときのルールです。証券会社のなかには、証券会社が取引の相手方となり、1単元(100株)未満の売買を引き受けるものがあります。1株単位で売買できれば、伊藤忠商事にも7393円から投資が可能です。
単元未満株のサービスは、大手のネット証券などで提供されています。ただし、手数料や取引時間は、取引所の売買と異なることが一般的です。事前に確認しておきましょう。
【単元未満株のサービスを提供する証券会社の例】
・SBI証券(S株)
・楽天証券(かぶミニ)
・マネックス証券(ワン株)
・三菱UFJ eスマート証券(プチ株)
・SMBC日興証券(キンカブ)
・大和コネクト証券(ひな株)