新NISAで注目されるトピックの1つに「年初一括 VS 積立」があるように、NISAでの1月の買付状況や動向はどのようなものだったか気になる投資家は少なくない。
そこで以前、インタビュー:【新NISA開始から丸2年】オルカンが爆売れだったが…投資地域別にみると浮かび上がる「別の実態」(2025年12月公開)にて、2026年の注目ポイントも指摘してくださっていた、ニッセイ基礎研究所・主任研究員 前山裕亮氏に「実際に2026年1月はどのような動きであったか」をテーマに話を聞いた。
――まず、26年1月のNISAでの買付状況について教えてください。
断片情報を見る限りでは、3年目となった26年1月もNISA口座を積極的に活用しているようです。
日本証券業協会が公表している証券10社の金額を見ると、2年目以上に買付が行われたことが確認できます(図表1の棒グラフ)。また、NISA対象投信(ETFを除く)への資金流入を見ても、NISA口座以外の売買も含まれる金額ですが、26年1月は約2兆3400億円となっています。1年目である24年1月が約1兆2800億円、2年目の25年1月が約1兆9400億円でしたから、着実に増加しています(図表1の紺線)。
図表1.証券10社のNISA口座の買付額とNISA対象投信への流入額
NISA対象投信の流入額はNISA口座以外の売買を含む数値。
また証券10社の数値になりますが、毎月の買付額を24年、25年と比較しながら見ていきましょう。図表2が「つみたて投資枠」、図表3が「成長投資枠」になります。「成長投資枠」については、さらに投信と投信以外の「その他」に分けています。
まず目を引くのは、成長投資枠の26年1月の「その他」だと思います。その中身の9割強が日本株(個別株)となっていますが、24年、25年を大きく上回る買付がありました。
一方、今回のテーマである投信に戻ると、つみたて投資枠と成長投資枠は25年1月に比べ、26年1月は「小幅な増加」でした。制度全体もしくは証券10社でも、この1年間で口座数は1.1倍程度増加していますので、口座数の増加に伴う自然増の範囲内とも見ることができます。
25年1月が24年1月に比べて急激に投信の買付が増えたのは、24年の結果を受けて、年初一括で買付を行う人が増えたからではないかと以前のインタビューで指摘しました。つみたて投資枠でも、ボーナス設定を活用すれば年初多めに買うことは可能ですし。26年は増加ペースが落ち着いていますので、そうした方はさほど増えなかったのかもしれません。
ただ、いずれにしても買付額は「減ってはいない」、小幅とはいえ「増えている」わけですから、25年にNISA口座から投信を買い付けた方の多くが、26年も継続しているといえそうです。
図表2.証券10社のつみたて投資枠からの買付額

図表3.証券10社の成長投資枠からの買付額

――投信の選好に何か変化はあったのでしょうか。
もっとも買われていたのが、外国株式という点は24年1月から変わりません。ただ、25年1月には1兆6900億円の流入があったのに、26年1月は1兆4800億円と2100億円鈍化しました。
その大きな要因は米国株式人気の一服です。25年1月は米国株式が非常によく買われていたのですが、26年1月も確かに大規模な買付自体は入っているものの、「25年1月と比べると、だいぶ減った」といえます。25年1月には1兆700億円を記録したのに、26年1月は5500億円とほぼ半減していることからもお分かりになると思います。
では、25年1月に米国株式を買っていた人たちのお金の半分が26年1月にどこへ向かったかというと、1つはオール・カントリー(全世界株式)に代表されるグローバル株式。金(ゴールド)や国内株式にも流れたと考えられます。特にアクティブ型の米国株式を買っていた方は、これらに流れたのではないかと予想しています。
以前から米国株式の人気は、アクティブ型だけでなくインデックス型も米国株式自体のパフォーマンスに連動する傾向があります。26年、正確には25年後半から徐々に人気が一服し、グローバル株式はじめ他の資産に流れたのも、その傾向に当てはまったといえます。何しろ、25年において、S&P500(円換算ベース、以下同)は年間で収益率が16%ほどでしたが、オール・カントリーは20%超、国内株式は30%ほど、金にいたっては60%超でしたから。
ただ、いくら米国株式の人気が落ち着いたといっても、投信の流入額は金や国内株式より大規模です。根強い人気というか、もうド定番商品になっているといえます。
図表4.資産クラス別のNISA対象投信の1月の資金流入額
