クリスマス週の金融市場はどうなる? 来週の注目イベントをチェック
クリスマス週ということで、経済指標がいくつか出るのですが、基本的に株式相場は日米ともクリスマスの週というのは結構動きます。
そんな中でも注目材料というと、米国は消費者信頼感指数、あと日銀は今週行われました金融政策決定会合の主な意見というのが6営業日後の27日に出てきます。この中で、どのぐらい利上げに対する前向きな意見、利上げした方がいいのではないかという意見が出ていたか、どうか、これを見ることになります。この主な意見というのは、後から多少加筆はできるものですので、例えば来週27日までにドル円相場が160円まで吹き上がるとか、そういう動きになると、例えばですが、この主な意見の中に、円安を警戒してある程度利上げを積極的に検討した方がいいのではないか、こんな意見も少し加わったりする可能性はあると思います。
それから、あとは東京都の消費者物価指数ですね。11月の東京の消費者物価指数が出た時は、結構予想を上振れしましたので、インフレを止めるために日銀が結構利上げをするのではないか、こんな見方が当時は出ました。
それからあとは、米国の株式相場も少し注意して見ておいた方がいいと思います。先ほどお話しした通り、利上げが必ずしも株安を招くわけではないのですが、今回はやはり、ある程度利下げ路線が続くということを見ていた市場からすると、結構タカ派だったのです。そういうことを受けましてVIX指数が20を超えています。先ほどお話しした通り、クリスマス週というのは比較的小動きな週ではあるのですが、FOMCを消化しきるまでにもしかすると、もう少し株式相場の動揺が続く可能性があるので、少し株式相場に注目です。
それから、もう一つ、米国のハイイールド社債のETFですが、これはハイリスクハイリターンの社債をかき集めたETF商品の相場なのですが、これが今週FOMCを受けて、大きく下がったのです。要は、マーケットがリスクに対してかなり神経質になっていることも、先ほどのVIX指数もそうですし、こちらもそういったマーケットセンチメントの表れでもあります。今年年間を通じて見ると、かなり下がったように見えるのですが、過去6年ぐらいの2019年以降で拡大してみると、そんなに目くじらを立てて大きく下がったから要注意だということほどでもないのですが、ただ今年の動きで見ると結構下がっていますので、このFOMC、市場が見ていたよりも結構タカ派に傾斜したこのFOMCをもう少し消化するまでには時間がかかる可能性を考えて、株についてはコーシャスに見ておいた方がいいのではないかと思います。
為替については、いくら、どれだけということでいきましたけれども、年末に近づくということもありますので、来週160円というのは少しないのではないかと思います。お話しした通り、日銀がこれだけインフレが続く中で、利上げを先送りしたというのは、やはり先々のインフレに対する期待感、インフレを膨らませる、つまり先々の実質金利を押し下げる、こういう動きが見込まれますので、為替については、やはり円安になりやすいのではないかと思います。ちなみに、株は先ほどクリスマス週は小動きだとお話ししましたが、為替は去年などですとクリスマス週は2円60銭、それから2022年は3円70銭ぐらい動いていますので、意外と3円ぐらい動いてもおかしくないということになります。
あとは、今週ドイツで内閣審議案が否決されて2月の総選挙が実施されるわけですが、ある程度織り込み済みだったということもあって、そんなにユーロ安という動きにはならなかった、ということを最後に言っておきたいと思います。
「内田稔教授のマーケットトーク」はYouTubeからもご覧いただけます。