債券投資か、株式投資か?

25年、リセッションに突入するシナリオが限定的であると考えると、ハイイールド債の利回り水準は魅力的だろう。また、ボラティリティ(変動)も株式よりはハイイールド債の方が小さい。同時にインカム収入の再投資による複利の恩恵も得られることになる。したがってハイイールド債のリターンはボラティティを勘案しても、現在の想定される景気環境においてはかなり魅力度が高いだろう。

過去の水準から考えても債券は株式よりも投資妙味がある。とはいえ、スプレッドがかなりタイトにはなっている。今後の金融政策の動向にもよるが、マクロ環境的にはリセッションは遠のいている、ファンダメンタルズも堅調、企業の財務状況もさらに改善強化されてくることを考えると債券投資が望ましいとは思える。

旺盛な需要に対し供給は通常通りであるため、需給関係からも下支えされるというのが債券の状況だ。スプレッドはかなりタイトだが、これらの要因から債券は妥当な水準ではないかと思われる。

株式で狙い目のセクターは? 注目のAIは継続か?

株式市場は23年、24年と、米国のみならず欧州でもかなり上昇した。ただ、非常に限定的な数銘柄が牽引したという市場展開であった。そうした一部の銘柄は、半導体あるいはAIブームでかなり割高な水準となっている。25年、投資家にとってはこの株高が続くのか、あるいは調整が早いのかが気になるところだ。

答えとしては、収益基盤の確保、AI開発、財務体質がきちんとしている銘柄群は、調整が入らないかぎり投資は継続できる。AIは今後さらに普及が進むと、今までの開発の中核からアプリ開発などまで裾野が広がっていく。するとどこが“勝ち組”となってくるのかもまた違った展開となるだろう。

したがって株式は全般的にプラス成長、また規制緩和等も想定されるため、ブレイクスルーとなるテーマ、成長、応用分野を洗い出していくことが重要となる。

例えばロボティクス、自動化、エネルギートランジション、AIについては開発そのものよりも活用による収益拡大につなげていく銘柄の洗い出しが重要となる。それこそがまさにアクティブ運用が強みを発揮する局面で、そういった銘柄を選択して選んでいくことに妙味があるのではないか。