進む高齢者の孤立、コロナ禍経て 人と話す「週に1回」

政府が6月に公表した「2024年版高齢社会白書」では、親しくしている友人・仲間がいるかを問う質問で、前回行われた2018年度の調査と比較すると、「たくさんいる」「普通にいる」と回答した割合が大きく低下した。

調査は内閣府が全国の60〜99歳の男女3329人を対象にインターネットで実施した。

前回の調査では、「たくさんいる」が24.7%だったものの、今年の調査では7.8%に下がった。「普通にいる」は前回では47.5%で、今年の調査では39.0%になった。 

出所:内閣府「令和6年版 高齢社会白書」

人と話をする頻度についても、前回調査と比較すると同じように右肩下がりだ。

前回の調査では「毎日」が90.2%だったが、今年の調査では72.5%に減少。特にひとり暮らしの場合は前回調査だと80.9%の高水準が、38.9%と下落した。

出所:内閣府「令和6年版 高齢社会白書」

Finasee編集部で公開した「お金の『ゆとりはない』高齢者多数 就業意欲は高止まりで非正規雇用が数多く」と題した記事では、経済的な暮らしをめぐって65歳以上の高齢者で、心配はないが「家計にゆとりがあると言い切らなかった人たち」が多くいることを報じている。

そのためか投資意欲も高まっている。なかでもiDeCo(個人型確定拠出年金iDeCo、イデコ)はその一つだ。

政府はiDeCoに加入できる年齢の上限を、「65歳未満」から「70歳未満」に引き上げる方針を固めている。はやくて今年中に法改正などの動きがある見込みだ。背景には、働く65〜69歳の高齢者が多いことから、働きながら積み立てることで将来の年金額を増やす狙いだ。

高齢社会白書でも「高齢期に備えた勤労者の自助努力による計画的な財産形成を促進する」と言及されている。

ただ、特に60代では老後資金の運用について、「わからない」と感じる人が多数いるといくつもの証券会社の調査では言及がされている。

Finasee編集部では、

退職後にやりたいこと1位は資産運用! 収入減に備え投資に積極的な「定年世代」のリアルな実態

「年金生活は我慢ばかり」のイメージは誤解? シニアが公的年金のみの暮らしで気付いた「予想外の楽しさ」

など老後の投資にまつわるいくつもの記事が掲載されている。

また、政府は、金融サービス利用者相談室(0570-016811・IP電話からは03-5251-6811)を設け、電話やファックス、郵便での相談を受け付けている。