想像できないからこそ不安が募る「老後資金」の問題

老後に年金で生活ができるかどうか、若い方ほど不安をおぼえているのではないでしょうか。そのため近年、若者が貯蓄、投資する流れに拍車がかかっているのだと思います。

では実際に年金だけで生活はできるのでしょうか? 現役世代にそれを知る人はほとんどおられないことでしょう。もちろん年金受給前に分からないのは当たり前のことです。ですが、大まかにでも老後の収入と暮らしのイメージを持っておくことで、漠然としたお金の不安は軽減できるものです。そこで今回は、私が年金だけで生活ができるのか実験した結果をお伝えします。

年金暮らしの実験結果についてお話する前に、参考情報として私自身のプロフィールと年金額をご紹介します。

私は現在66歳です。長く会社員として企業に勤めたのち、早期退職をして63歳から個人事業主として働いています。住宅ローン返済が残っていたこともあり、年金は65歳から受給しはじめました。

年金に加えて個人事業主としての収入が少しだけあったので、普段の生活では家計の収支に関してはあまり気に留めていませんでした。しかし個人事業主というのはサラリーマンと異なり仕事の有無によって収入が不安定になり、収入がない月が出てくることもあります。そこで収支のバランスをとるためにも、個人事業主としての収入には手を付けないで年金だけで生活する方法にシフトしようと考えました。

日本年金機構によると夫婦の平均年金額は月22万円から23万円ですが、私の場合はシングルファーザーなので年金は約18万円です。今回、その18万円で生活できるか実験をしてみました。