貸していた120万円が全額返済された
内容証明を送ってから2週間後、遠藤さんの滞納は解消されたと米原さんから喜びの連絡があった。内容証明の送付は大成功だ。
公正証書がありいつでも差し押さえが可能な状態にもかかわらず、内容証明郵便が突然送られてくる恐怖を考えてほしい。多少お金に困っていてもなんとかお金を作り必死に返済しようと考えるはずだ。遠藤さんもそう思ったのだろう。
そこから年月はたち2024年8月、とうとう米原さんは遠藤さんから貸したお金の全額返済を受けられたようだ。米原さんは裁判手続きを一切していない。ただ内容証明を1通送っただけだ。それだけですんなり返済が受けられた。
先日、その報告を事務所にて米原さんから直接伺った。これは後日分かったことだが遠藤さんは米原さん以外からも共通の知人からお金を借りていたようだ。だが、満額返済を受けられたのは知人の中でもどうやら米原さんだけだったようだ。
公正証書を作って得られる効力は執行力だけではない。相手の正確な個人情報を握り、戦略的に駆け引きする切り札的な効果も得られるのだ。
お金の貸し借りにおいて公正証書を作成する人は少ない。だが、返ってこないと困る額なら絶対作るべきだ。米原さんのように裁判手続きによらず、差し押さえも行ず、内容証明郵便1通送るだけで全額返済を受けられることもあるのだから。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。
※人物名はすべて仮名です。