たとえ円高になっても、日本株は堅調に推移

これらの点を総合的に考えると、現時点において、米ドル/円や株価がどの方向に進むのかを結論づけるのは難しいのですが、1ドル=161円台から140円割れまで米ドル安・円高が進むなか、日本の株価が底堅く推移している点には、注目したいと思います。

前述したように、日経平均株価は米ドル安・円高が進むなか、8月5日のボトムから9月24日までで、21.77%も上昇しました。本来、ここまで米ドル安・円高が進めば、「円高で業績が悪化する」といった見方が強まり、日本株は売られやすくなるというのが、これまでの流れでした。

ところが、日経225平均株価はボトムから大きく回復しています。

基本的に円安は、日本企業の購買力を削ぎます。1ドル=161円まで米ドル高・円安が進むなかで、それを痛いほど実感したのは、恐らく企業セクターでしょう。それが米ドル安・円高へと修正されれば、日本企業の購買力が強まります。円が強くなれば、海外企業の買収も自由に行えるなど、経営の選択肢が広がるのです。

そう考えると、米国の利下げと、それに伴って進んだ米ドル安・円高は、むしろ日本企業にとってポジティブな材料であり、それが日本の株価上昇につながっていると見ることができます。