米国の利下げを受けて、日本株は上昇した

一方、日本の株式市場はどうでしょうか。

米国株式市場との連動性が強い日本の株式市場にとって、米国株価の上昇はポジティブです。日経225平均株価を見ると、米国で利下げが発表された翌日、9月19日は735円高となり、その後も上昇して24日には3万8427円をつけています。直近安値が9日の3万5247円なので、この間に9%の上昇率となりました。

確かに、7月11日につけた最高値、4万2426円にはほど遠いのが現状ですが、単純に8月5日のボトムからの上昇率では、日本株は米国株を上回っています。

8月5日のNYダウの底値は3万8499ドルで、9月24日の終値が4万2208ドルですから、この間の上昇率は9.63%です。

対して日経225平均株価の8月5日底値が3万1156円で、9月24日終値が3万7940円ですから、この間の上昇率は21.77%にもなります。

日本の金利は上げていく方向。つまり日米の金利差は縮まり円高に

話は前後しますが、米国が利下げを行う一方、日本は今後、どのような金融政策を取っていくのでしょうか。

日銀の金融政策の決定に関わる田村直樹審議委員は9月12日、岡山市の講演会で「物価の安定に向けて政策金利を少なくとも1%程度まで段階的に引き上げる必要がある」という考えを示しました。

日本の政策金利は「無担保コール翌日物金利」です。その誘導目標は7月31日の日銀金融政策委員会で引き上げられ、0.25%となりました。これを2026年度までの見通し期間の後半までに1%程度まで引き上げるということです。

米国が利下げを行う一方、日銀が利上げに向けて動くとなれば、日米の金利差は縮小します。米ドル/円は7月3日に1ドル=161.95円まで米ドル高・円安が進みましたが、この一番の理由は、日米金利差の拡大にありました。

ということは、逆に日米金利差が縮小するとなれば、米ドル安・円高圧力が強まるはずです。実際、米ドル/円は日米金利差の縮小を先取りして織り込むかのように、米ドル安・円高が進み、9月16日には1ドル=139.58円をつけました。

しかし、日銀が政策金利を1%程度まで引き上げるとしても、それは2026年度に向けての話ですし、米国の0.5%利下げはサプライズでしたが、今後、FRBがどこまで利下げを継続するつもりでいるのかは、まだ見えてきていません。