オンワードホールディングスの事業内容
オンワードホールディングスは、アパレル事業を中核とする持株会社として、多様な事業を展開しています。特に注目されるのが、傘下のオンワードコーポレートデザインが手がけるBtoB事業です。
同社は2000社以上の取引先を持ち、累計1000万人を超えるユーザーにサービスを提供しています。主力事業であるユニフォーム事業では、ヤクルトレディーやヤマト運輸の配達員など、企業の顔となる制服を手がけています。さらに、企業のキャンペーン商品などで営業戦略を推進するインサイトセールス事業や空間デザイン事業も展開し、「会社そのものをデザインする」という独自のコンセプトで事業を拡大しています。
7月3日に発表した2026年2月期第1四半期の業績では、戦略強化ブランドの拡大や子会社化効果により売上高が前年同期比17.1%増の601億5,800万円となり、利益面でも増益を達成しました。2024年度には180億円を突破するなど、売上は右肩上がりの成長を続けています。
直近1カ月の株価推移
オンワードホールディングスの株価は、6月中旬から7月中旬にかけて緩やかな上昇トレンドを描いています。6月中旬には570円台でスタートした株価は、6月下旬には580円台に上昇し、7月初旬には590円台まで上昇しました。
特に注目すべきは、7月3日の決算発表後の動きです。好調な第1四半期業績の発表を受けて、株価は一時600円台に到達しました。その後は590円台で安定的に推移しており、7月17日現在は593円で取引されています。
年初来では、1月30日に633円の高値を記録した一方、4月7日には492円の安値を付けました。現在の株価水準は、年初来高値から約6%下回る水準にありますが、年初来安値からは約20%上昇した位置にあります。移動平均線を上回る水準で推移していることから、投資家の関心は継続していると考えられます。
今後の展望
オンワードホールディングスの今後の展望は、業績面での裏付けがあることから明るいと考えられます。同社は通期予想において二桁の増収増益を見込んでおり、戦略強化ブランドの拡大や子会社化効果が継続的に業績に寄与することが期待されています。
市場評価の観点では、PER(株価収益率)が8.05倍(会社予想)と比較的割安な水準にあり、配当利回りも5.06%(会社予想)と高水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)は10.38%と良好な水準にあり、自己資本比率も47.0%と財務の安定性も確保されています。
次回の決算発表は2026年2月期第2四半期決算として、10月頃と見られます。オンワードコーポレートデザインの事業拡大が業績にどの程度寄与するかが注目ポイントとなるでしょう。
中長期的には、BtoB事業の拡大や「会社をデザインする」という独自のコンセプトが市場で評価され、持続的な成長が期待されます。業績の継続性と配当の安定性を重視する投資家にとって魅力的な銘柄と言えるかもしれません。