今や引きこもりは全国で140万人超…日本の課題になりつつある
和美さんはいわゆる広義での「引きこもり」といえますが、けっしてレアケースではない日本の現実があります。
令和4年度の内閣府調査「こども・若者の意識と生活に関する調査」によると、広義の意味で、引きこもりの方は全国に約146万人いると推計されています。また今回の調査では、中高年齢(40歳~64歳)においては、男性に比べて女性のほうが多い(52.3%)という結果もあります。本編そのままに、特に娘さんを持つ親御さんは注意が必要かもしれません。
「“女の子”は結婚して養ってもらえばいい」だから「学歴も仕事も関係ないし、今は晩婚の時代だから年齢面も問題ない……」実際に筆者との相談でも、いまだにこのような考えの親御さんは珍しくないのが実情です。そして、その時代の変化に対応できていない考えや姿勢が娘さんにも伝わり、まさに本編のような悲劇的な結末を迎えることもよくあります。
今は共働きが主流です。多くの男性は一人で家計を支えるのは避ける傾向にあり、女性にも一定程度の年収を求める傾向にあります。そのため、無職や家事手伝い、アルバイト等では結婚相手候補とはなかなか見なされません。また晩婚化とは、昔は平均初婚年齢が25歳だったのが、今では29歳になっただけです。少なくとも、30歳を超えた無職女性が、専業主婦になるのはかなり困難だと考えたほうがよいでしょう。
余談ですが、昔と比べて最近では「離婚」も珍しくありません。容姿や若さなど、何らかの理由で結婚できていたとしても、本編の和美さんのような女性は離婚される可能性もあります。つまり、親御さんの立場なら、「実家に帰ってくる」可能性を見据えることも時に必要です。厳しい話ですが、今や結婚は逃げ道にならないということを親子そろって肝に銘じましょう。