ポイント③ 持株会や企業型確定拠出年金の運用を継続するか考える

3つ目は運用の継続をするかどうかです。

モデルプランでは、持株会で築いた資産は優先して取り崩すことをおすすめしました。ただし、持株会は単位株で運用を継続できるケースもあるので、取り崩さず運用資産として保有することも1つの選択肢です。

また、企業型確定拠出年金(選択制)は前述した通り、運用を継続する方が「運用益非課税」のメリットが大きいため、すぐに使う可能性がなければ75歳まで運用継続を考えてみても良いでしょう。

ポイント④ 住宅ローンを繰り上げ返済するかどうか考える

4つ目は住宅ローンを繰り上げ返済するかどうかです。

60歳時点で保有資産は1700万円、住宅ローンは700万円くらい残っているのが平均的な家計調査の実態です。この住宅ローンは「退職金をもらったから全額繰り上げ返済しよう」と考える方も多くいます。

しかし、例えば700万円の住宅ローンを返したとすると、資産としての700万円も失ってしまうことになります。この700万円を含めて資産を運用をしていたら……運用で増える金額も大きくなっていたかもしれません。

このように考えると、65歳まで給与収入があり、加えて借入金利が低レートの場合は、当面繰り上げ返済せず返済予定資金を含めて運用することを考えても良いでしょう。

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以上が生涯安定収入プランをパーソナライズする時の基本的な考え方です。さらに自分にぴったりなライフプランを検討する場合は、ライフプランシミュレーションソフト※などを使って、税金・社会保険料まで含めて確認することをおすすめします。

※参考:三井住友信託「Smart Life Designer」(外部サイト)

●実際に生涯安定収入を得るプランを立てて老後を迎えると、そうしなかった場合と比べてどのくらい差が生まれるのでしょうか? ケーススタディを第4回【定年後に「安定収入を得る人」と「老後破産の危機を迎える人」―“決定的な差”を生む人生設計の違いとは】で見ていきます。