定年後のライフプランは一般的に「リタイアメントプラン」などと呼ばれます。そう聞くと「60歳で仕事を辞めて資産を取り崩して暮らす」といった生活を思い描いてしまいがちですが、現代では必ずしも定年=引退(仕事を辞めること)ではありません。生涯現役とまではいかずとも、会社の再雇用制度などを利用して長く働き続けることで、安定した暮らしを送ることが理想とされています。
だとすれば、定年目前に控えた世代もまた「60歳で仕事を辞めて生活が成り立つか?」ではなく「60歳以降も安定的に収入を得るにはどうするか?」を考える方がファイナンシャル・ウェルビーイングを実現する近道になります。
今回は、そんな定年前最大の悩みである「60歳からのライフプラン」の考え方を解説していきます。なお、これから定年を迎えようとする世代には「配偶者が専業主婦(夫)の世帯」が多いことから、本稿では「配偶者が専業主婦(夫)の世帯」のケースをモデル世帯としています。
生涯の安定収入を作る「極意3カ条」を知ろう
定年後も安定した収入を得るためには、次の極意3カ条を前提にライフプランを考えます。
<生涯の安定収入を作る極意3カ条>
モデル世帯:配偶者が専業主婦(夫)
(1)公的年金受取は65歳が基本
→公的年金(社会保障)は家族の収入の柱と考える
(2)企業年金の価値は年金で受け取れることにあり
→企業年金は退職金にあらず。給与の後払いと心得る
(3)預貯金は使うためにある
→増えない資産から使い、運用してきた資産を取り崩すのは後回しにする