ポイント② 企業年金をどのパターンで受け取るか考える
2つ目に考えたいのは企業年金の受け取り方です。受け取り方にはさまざまなパターンがあるため、加入する企業年金別で考えてみます。
確定給付企業年金(DB)の場合
確定給付企業年金の場合、「終身年金」であれば迷わず年金受取を考えると良いでしょう。また、「利回り2.0%で20年受け取れる制度」という条件を満たしている場合も年金受取を第一に考えます(税や社会保険を考慮すると、この条件を満たすかどうかが「一時金受取と年金受取のどちらがおトクか」の分岐点と考えられるため)。
ただ、まれに“企業年金”と言いながら「受取期間が5年」などと短かったり、「受給中の利回りがわずか1%」などと低かったりするものもあるため、そうしたケースでは一時金受取も選択肢として検討します。
企業型確定拠出年金(企業型DC)の場合
企業型確定拠出年金の場合、一時金としてすべて受け取るのではなく、運用を続けながら年金で受け取ることを前提に考えましょう。
この時、運用を継続する過程で「資産が減ってしまうかも……」という不安が大きい方には「終身年金の保険商品(元本確保型)」で運用することも有効な選択肢となります。
中には企業型確定拠出年金を一時金として受け取ったあと、自分で運用しようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、企業型確定拠出年金は60歳時に一時金で受け取らずに運用継続する方が、「運用益非課税」のメリットが大きくなります。さらに、65歳まで厚生年金の被保険者として働いて掛金をかけていれば、退職所得控除も毎年増えていきます。
確定給付企業年金+企業型確定拠出年金の場合
両方の制度がある場合は、まず確定給付企業年金を年金で受け取ることを考えます。そして企業型確定拠出年金は、75歳までの間で一時金か年金かいずれかで受け取ることを考えると良いでしょう。