企業が福利厚生を提供する理由とは? 目的を知って賢く使おう

そもそも、企業がコストをかけてまで従業員に福利厚生を提供するのはなぜでしょう? それは、企業は自社が従業員にとって「安心して長く勤められる良い職場」であることを目指しているから、というのが答えです。福利厚生制度はそのための手段であり、内容を充実させることで、給与や賞与だけではカバーできない部分の満足度を高めようとしているというわけです。

また、昨今では「人的資本投資」という言葉もよく聞くようになりました。少し難しく聞こえますが、分かりやすく言えば「企業価値を高める源泉である従業員に対して、もっと投資してくださいね」「従業員が企業の財産であるともっと認識しましょう」という考え方のこと。会社の中からも外からも、人を大事にしているか? を見られる世の中になってきたので、企業も人への投資にますます力を入れ始めています。

このような背景があり、近年、企業は従業員の満足度を上げるためにさまざまな福利厚生制度を準備しています。であるならば、従業員としても制度を使わない手はありません。企業で働くみなさんは、自身がお金に不安なく安心して働き暮らしていくためにも、ぜひ職場の福利厚生制度を賢く使いこなしていきましょう。

実はこんなにある! 資産形成を支えてくれる職場の制度

福利厚生制度の中でも、企業が特に力を入れているのが「資産形成支援制度」です。調査によると、「資産形成支援制度は今後も必要」と答えた企業はなんと8割を超えていました(出典:労務研究社『旬刊福利厚生』2023年12月下旬号)。

■企業が用意する資産形成制度の例

表:ファイナンシャル・ウェルビーイング編集部作成(表をクリックで拡大)

上の表は、資産形成支援制度にはどのような種類があるのかをまとめたものです。こうして見ると「案外たくさんあるものだな」と思いませんか? 企業によっても準備している制度は異なるので、まずは自分が勤める職場にはどんな種類の制度があり、どうすれば利用できるのかを把握することから始めましょう。