佐藤さん夫婦が迎えた「信じられない結末」

結局そこの税理士事務所で確定申告の手続きをしてもらったのですが、私の給与所得などとあわせた総合課税だったことも裏目に出て、所得税だけで税率が33%となり、100万円近い税金を納める羽目になりました。

棚ぼたの売却益は使い果たした後で、スズメの涙の預金から別途リフォーム代200万円も支払ったばかりでしたから、かなりの痛手になりました。

税理士さんからは「相続税の申告をしなくて済んだのは不幸中の幸いですよ」と妙な慰め方をされました。実家から相続したのは二束三文の不動産だけで金目の資産はほとんどなかったため、相続時点の金の延べ棒の評価額を加算しても、相続税の基礎控除(私の場合は法定相続人が1人なので3600万円)に届かなかったのです。

税理士さんの話によると、最近は相続税の申告を終えた後に何百万円ものタンス預金が見つかったり、税務署から家族も知らなかった暗号資産の取引を指摘されたりして、修正申告をするケースがぼちぼちあるのだそうです。

追徴課税をされずに済んだのは確かにラッキーだったのかもしれませんが、そもそも、たまたま見つけたお宝を換金しただけで税金を払わなければならないということ自体、いまだもって解せない気持ちです。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。