過払いが起きた原因とは?

ところが、由里さんが61歳を迎えて以降ずっと年金の請求をしていないことが原因で、英一郎さんの加給年金は由里さんの61歳時点で止まることなく、振り込みがされ続けていました。

当然、由里さんの61歳以降の4年分の加給年金は本来英一郎さんが受け取れないもの。由里さんが61歳になってすぐ特別支給の老齢厚生年金の手続きをしていればその時点で加給年金の振り込みを止めることができ、過払いを防止できました。しかし、由里さんが年金事務所に行ったのは65歳になってからだったため、ここで初めて過払いが発覚したのです。

そうした事情により、由里さんの特別支給の老齢厚生年金が61歳まで4年さかのぼって支給される一方で、英一郎さんの4年分の加給年金は全て返金となります。

加給年金の返金の手続きを進める

「まさか年金を返せと言われるなんて思ってもいなかった」という英一郎さんでしたが、窓口の相談員の案内により英一郎さんが加給年金の返納に応じました。返納の手続きが問題なく進むと思ったのか、窓口の相談員もほっとしたような表情を浮かべていました。

「私が61歳で手続きをしておけばよかったのね」と後回しにしたことを後悔した由里さん。結局、これから英一郎さんは今後2カ月に1回振り込まれる年金の半額ずつで分割して返すことになりました。幸い夫婦には貯蓄があるため、返納が完了するまで振込額が少なくなっても、夫婦2人分の生活は何とかなりそうです。

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突然、年金を返せなどと言われると、一体何が起きているのか理解できないことでしょう。このようなことが起きないようにするためには、自身が受けられそうな年金はどのようなもので、いつからいつまで支給されるかを確認し、必要な手続きはなるべく早めにしておく方がよいと言えるでしょう。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。