JPXプライム150では珍しい割安株 PBR1倍割れはどう解消?
出光興産はPBRが1倍を下回る割安株です。純資産に対する株価の水準を図るPBRは、2024年4月10日終値で0.84倍となっています。
JPXプライム150指数メンバーのうち、PBRが1倍を下回る銘柄は5%しかありません。中央値は2.6倍で、構成銘柄の6割以上が純資産の2倍以上に株価が評価されています。
【JPXプライム150指数のPBR構成比】
・2倍以上:61%
・1倍以上~2倍未満:34%
・1倍未満:5%
・(参考)中央値:2.6倍
※2023年5月16日時点
PBRの1倍割れは、株価が純資産を下回っている状態です。純資産は原則として株主のもので、企業が解散すると株主に分配されます。つまりPBRの1倍割れは「企業の存続価値が解散価値を下回っている」状態であり、株主に将来性を評価されていないことを表しています。
もっとも、出光興産のPBRは改善傾向にあります。
出光興産は2023年11月、PBR1倍割れ解消の施策として中期経営計画を修正しました。従来のROE目標を8%から10%以上に引き上げる内容です。資本収益性を高めることで稼ぐ力を強化し、株式の価値を高める狙いがあります。
株主還元の強化も表明しました。総還元性向は50%以上を維持しつつも、1株あたり配当金は増額かつ下限を設け、新たに自社株買いにも言及しています。さらに1:5の株式分割も実施し、投資単位の引き下げも実施ました。
【中期経営計画の資本・財務計画(2023年度~2025年度)】
当初計画 (2022年11月) |
修正 (2023年11月) |
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ROE目標 | 8% | 10%以上 |
総還元性向 | 50%以上 | 50%以上 |
1株あたり配当金(※) | 24円を基本 | 32円を下限 |
自社株買い | ― | 機動的に実施 |
※2024年1月の1:5の株式分割を考慮(分割前:120円を基本→160円を下限)
株式市場はこれらの動きを評価しているようです。出光興産がPBR向上の施策を公表すると株価は大きく上昇し、その後も値上がり傾向が続いています。公表前のPBRは約0.55倍でしたが、株価の上昇で0.29ポイント改善しています。出光興産は今後も資本効率の改善を継続し、PBRの向上に取り組む考えです。