近年の株式市場で堅調なセクターが総合商社株です。三井物産はほぼ右肩上がりに上昇し、株価は3年前の3倍以上に到達しています。業績も好調で2022年度の決算は最高益を更新しました。
【三井物産の業績】
売上高 | 純利益 | |
2022年3月期 | 11兆7576億円 | 9147億円 |
2023年3月期 | 14兆3064億円 | 1兆1306億円 |
2024年3月期(予想) | 非開示 | 9400億円 |
※2024年3月期(予想)は同第2四半期時点における同社の予想
出所:三井物産 決算短信
【三井物産の株価(月足、2020年10月~2023年10月)】
三井物産は収益性の高さから「JPXプライム150指数」の構成銘柄に選ばれています。事業内容や業績をチェックし、三井物産の魅力を探ってみましょう。
五大商社の一角 純利益1兆円は業界初
三井物産は総合商社の大手です。三井家で創業された貿易会社を祖に持ちますが、旧三井物産は戦後GHQによって解体されました。今の三井物産は1947年に設立された企業です。複数に分かれていた旧三井物産系の企業を再び吸収し、現在の姿となりました。
三井物産は世界中で資源の開発を行っています。特に原油や鉄鉱石の生産権益は総合商社でトップクラスといわれています。ほかに電力や化学製品、鉄鋼製品や金融商品といった多種多様な商品・サービスの開発や販売を手掛けています。
2022年度は資源価格の高騰が業績を押し上げ、最終利益が1兆円を突破しました。純利益1兆円は総合商社で初めてとみられています。ただし純利益の額は、後日に決算を発表した三菱商事に抜かれることとなりました。
【五大商社の純利益ランキング(2023年3月期)】
・三菱商事:1兆1807億円
・三井物産:1兆1306億円
・伊藤忠商事:8005億円
・住友商事:5652億円
・丸紅:5430億円
※いずれも国際会計基準
出所:各社の決算短信より