バフェットも投資!商社株の魅力とは
三井物産などの商社株は、ウォーレン・バフェット氏が投資することでも有名です。
バフェット氏は「投資の神様」とも称される著名投資家です。2020年8月に五大商社株に投資し話題を集めました。その後も断続的に買い増しを続けており、2023年6月にはうち4社で保有比率が8%を超えたと発表しています。
バフェット氏の投資が判明してからの五大商社株は好調です。いずれも右肩上がりに上昇しており、株式は投資が判明した2020年8月の2~3倍の価格で取引されています。
【五大商社の株価(月足終値、2020年7月~2023年10月)】
バフェット氏はなぜ商社株に投資するのでしょうか。氏は株価が割安に放置された企業に投資する「バリュー投資」の名手と知られます。商社株は企業価値に対し株価が割安だと判断し、投資を決めたのかもしれません。
三井物産の割安度をPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)で測ってみましょう。2023年10月末の株価(5417円)と2022年度の業績で算出したところ、PERはプライム市場平均を大きく下回った一方、PBRは同水準となりました。株価の上昇で割安度が薄れつつありますが、利益に対する株価はまだ割安といえそうです。
【三井物産のPERとPBR】
三井物産 | (参考) プライム市場平均 |
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PER | 7.5倍 | 16.5倍 |
PBR | 1.3倍 | 1.3倍 |
※株価は2023年10月末終値、純利益および純資産は2023年3月期時点
※プライム市場平均は2023年10月(連結、加重平均)
出所:三井物産 決算短信、日本取引所グループ その他統計資料
高い収益性も商社株の魅力でしょう。三井物産も選ばれたJPXプライム150指数は、抽出条件の一つにROE(自己資本利益率)を採用しています。三井物産のROEは2022年度で17.8%と、プライム市場平均(8.4%)を大きく上回りました。
【三井物産のROE(2023年3月期)】
・純資産:6兆3678億円
・純利益:1兆1306億円
・ROE:17.8%
・(参考)プライム市場平均ROE:8.36%
※純資産は親会社の所有者に帰属する持分
出所:三井物産 決算短信、日本取引所グループ 調査レポート
三井物産は事業内容から資源価格が業績に与える影響は大きく、今後も株価が堅調に推移するかは不透明です。しかしバフェット氏が商社株の買い増しを検討しているとの報道も伝わっています。商社株に投資する狙いは明らかではありませんが、追加投資が実現すれば三井物産はさらに株価が上昇するかもしれません。。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)