花王の株価が低迷しています。2020年に8000円前後だった株式は値下がりが続いており、現在は5000円台で取引されています。足元で続く減益が嫌気されているのかもしれません。
【花王の業績】
売上高 | 純利益 | |
2021年12月期 | 1兆4188億円 | 1096億円 |
2022年12月期 | 1兆5511億円 | 860億円 |
2023年12月期(予想) | 1兆5800億円 | 410億円 |
※2023年12月期(予想)は同第2四半期時点の同社の予想
出所:花王 決算短信
【花王の株価(2020年10月~2023年10月)】
苦戦が続きますが、花王は配当を重視する投資家には人気がある銘柄です。2023年7月から算出される「JPXプライム150指数」にも市場評価(PBR基準)の観点から選ばれました。
花王はどのような企業なのでしょうか。事業内容と「配当貴族」としての側面、また成長戦略について紹介します。
洗剤・サニタリー大手 定番押さえブランド盤石
花王は日用品などの消費財大手です。特に洗剤やサニタリー用品(おむつなど)、化粧品で高いシェアを獲得しています。『アタック』や『メリーズ』など多くの有名ブランドを擁しており、消費者の知名度は抜群です。
【花王の主なブランド】
ハイジーン&リビングケア (衣類・食器洗剤、サニタリー) |
アタック、ハミング、メリーズ |
ヘルス&ビューティケア (スキンケア、ヘアケア) |
ビオレ、メリット、サクセス、バブ |
ライフケア (業務用衛生製品、健康飲料) |
ヘルシア、ハンドスキッシュ |
化粧品 | キュレル、カネボウ、プリマヴィスタ |
出所:花王 事業領域
家庭向けだけでなく、産業向けにも強みがあります。油脂製品や印刷材料、また半導体向け洗浄剤といった化学製品で世界トップクラスのシェアを確保しています。業績への貢献も厚く、化学製品を表す「ケミカル」セグメントは主要な地位を占めています。
【セグメント業績(2022年12月期)】
売上高 | 営業利益 | |
ハイジーン&リビングケア | 5165億円 | 307億円 |
ヘルス&ビューティケア | 3695億円 | 346億円 |
ライフケア | 557億円 | 0億円 |
化粧品 | 2515億円 | 141億円 |
ケミカル | 4025億円 | 295億円 |
出所:花王 決算短信