日本たばこ産業(JT)へ投資する人が増えているようです。株価の上昇が続いており、3年間でおよそ1.8倍に値上がりしました(2023年9月末時点)。

【日本たばこ産業の業績】

  売上高 純利益
 2021年12月期 2兆3248.38億円 3384.90億円
 2022年12月期 2兆6578.32億円 4427.16億円
 2023年12月期(予想)     2兆7590.00億円   4570.00億円

※2023年12月期(予想)は同第2四半期時点における同社の予想

出所:日本たばこ産業 決算短信

日本たばこ産業は収益性と市場評価性の双方の基準を満たし「JPXプライム150指数」に選ばれています。

日本たばこ産業とはどのような企業なのでしょうか。事業の概要と注目の配当利回りを紹介します。

JPXプライム150で最大の食料品銘柄

日本たばこ産業は国が独占販売していた葉たばこ事業を民営化し1985年に設立された企業です。代表的な食料品株で、JPXプライム150指数の構成銘柄では最大の時価総額を持ちます。

【JPXプライム150指数の食料品株、時価総額上位3銘柄】
・日本たばこ産業:6兆6060億円
・味の素:3兆0764億円
・アサヒグループホールディングス:2兆7956億円
※2023年10月6日終値時点

収益のほとんどは「たばこ事業」が占めています。「医薬事業」と「加工食品事業」にはそれぞれ1987年と1998年に参入していますが、業績へのインパクトは小さく補完的な位置付けにとどまっています。

【セグメント業績(2022年12月期)】

  売上高 営業利益
 たばこ事業   2兆4174億円   6794億円
 医薬事業 829億円 111億円
 加工食品事業   1555億円 42億円
 その他事業 20億円 -411億円


出所:日本たばこ産業 業績・財務ハイライト

たばこの販売となると将来性を懸念する声は少なくないでしょう。国内では市場の縮小が続いており、紙巻きたばこの販売数量は2012年~2022年でおよそ半減、販売金額は3割以上減少しました(出所:日本たばこ協会 たばこ統計データ)。

しかし世界的には成長を予想する声もあります。市場調査を手掛けるグローバルインフォメーションは、世界のたばこ市場は2023年~2028年に年間3.48%成長し、市場規模は1兆3288億ドルに到達すると予測しました(出所:グローバルインフォメーション 紙巻たばこ(シガレット)市場:世界の産業動向、シェア、規模、成長、機会、2023-2028年の予測)。