M&Aで世界3位のたばこ販社に

日本たばこ産業はM&Aに積極的な企業として知られます。1999年にRJRナビスコ社の米国外たばこ事業を取得したほか、2007年には世界最古のたばこブランド『ソブラニー』で知られるギャラハー社を買収しました。2016年にもナチュラル・アメリカン・スピリット社の米国外たばこ事業を買い取っています。

【日本たばこ産業の主な海外M&A】
・1999年:RJRナビスコ社の米国外たばこ事業(9440億円)
・2007年:ギャラハー社(1兆7200億円)
・2016年:ナチュラル・アメリカン・スピリット社の米国外たばこ事業(5914億円)
※()は当時の為替レートで算出した買収金額

出所:日本たばこ産業 有価証券報告書

海外で大型M&Aを繰り返した結果、日本たばこ産業の販売数量は世界3位を占めるまでになりました(中国専売公社を除く)。たばこ事業における海外売上高比率は6割を超えるとみられています。

【自社たばこ製品の地域別売上高(2022年12月期)】
・アジア:8049億円
・西欧地域:5388億円
・EMA(※):9715億円
※アフリカ、中近東、東欧、トルコ、南北アメリカ大陸およびすべての免税市場
※EMAにはトルコ、ルーマニア、ロシアを含む

出所:日本たばこ産業 決算短信

M&Aは売り上げの維持に貢献してきました。たばこの総需要は2018年~2022年で0.5%減少しましたが、日本たばこ産業の出荷量は同時期に0.7%増加しています。海外事業や企業の買収でシェアを獲得したことが背景にあるとみられます(出所:日本たばこ産業 統合報告書)。