原油相場の影響大 利益の浮き沈みは大きめ

出光興産は利益の振れ幅が大きい企業です。2023年3月期は2期連続で2500億円以上の最終黒字となっていますが、2020年3月期は200億円の純損失でした。直近10期では3回の最終赤字を経験しています。

利益の変動が大きいのは、在庫評価損益の影響を受けるためです。

石油元売り各社は法令で一定以上の在庫保有を義務付けられています。在庫は時価で評価されるため、期首から原油価格が急落すると巨額な損失が計上される傾向にあります(参考:ENEOSホールディングス 在庫影響除き当期損益/営業損益)

出光興産は2015年3月期に1300億円を超える最終赤字を計上しました。その主因となったのも在庫評価損失でした。当時は原油価格が顕著に下落しため、関連するセグメントで巨額の在庫評価損失を計上しています。

このような関係から、出光興産は株価も原油相場の影響を受ける傾向にあります。冒頭の通り出光興産の株式は直近で大きく上昇していますが、原油価格も同様に上昇していることがわかります。